眠らせ森の恋

「このくらいの歳の、二つ三つは大きいわよ。
 私だって、この間まで、ピチピチの新人でみんなに可愛がられてたのに、今じゃお局様扱いよ」

 豪快に肉を喰らいながら英里は言って来るが。

 いや、それは言動のせいでは、と思っていた。

 むしろ、ほんの二、三年前に初々しい新人だったというのが想像つかないのだが。

「それと、田宮さんはやめて。
 普段は、英里でいいわ」

「え?
 なんでですか?」

「なにかこう、名字で呼ばれると、ますますお局様に近づいてってる気がするから。
 新人に煙たがられてる感を人に与えたくないしね」

 そう英里は言う。

 いや、別に煙たがってはないですけどね。

 ちょっとめんどくさい人だなーと思うだけで、と思いながら、つぐみは、はは、と笑う。