眠らせ森の恋

 



 翌朝、つぐみが目を覚ますと、目の前に奏汰の顔があった。

 ひゃーっ、とつぐみは脳天に突き抜けるような声を上げ、飛び起きる。

「なっ、なんで一緒に寝てるんですかっ。
 私、襲われましたっ?」
と言うと、奏汰は呆れたように、

「お前、処女なんだろうが。
 襲われてわからないとかあるか」
と言ってくる。

 そ、そういうものなのですか。
 よくわかりませんが、と思いながら、目の前にある奏汰の顔にまだ固まっていた。

 本当に綺麗な顔だな、と思う。

 寝起きの自分の顔など、ぼんやり腫れていたりもするのだが、奏汰はそういうのもないようだった。