「秘書室の呑みのとき、お前が積極的に動いてもてなしてるのも見たことないからな」
いや、お父さんが、そういうとき、こまめに動くのはホステスさんのようで良くないと言うから――
いや、嘘です。
どうしたらいいのかわからないし、いまいちやる気もないからです。
英里さんたちがせっせと動いてらっしゃるのを邪魔するのもな、と思いますしね、と心の中で言い訳をしていると、奏汰が言い出した。
「そういえば、秘書室の歓迎会のとき、堀田たちがお前を酔わそうとしていたが、お前、幾ら呑ませても顔色ひとつ変わらなかったな。
そして、俺につぎましょうか、と言いながら、酒をかけようとした――」
「いや、あの、かけようとしたんじゃなくて、結果的にかかりそうになっただけですよ」
と微妙に訂正してみたのだが、奏汰は、同じことだろ、という目で見ながら、
「西和田以上の刺客かと思ったぞ」
と言う。
いや、お父さんが、そういうとき、こまめに動くのはホステスさんのようで良くないと言うから――
いや、嘘です。
どうしたらいいのかわからないし、いまいちやる気もないからです。
英里さんたちがせっせと動いてらっしゃるのを邪魔するのもな、と思いますしね、と心の中で言い訳をしていると、奏汰が言い出した。
「そういえば、秘書室の歓迎会のとき、堀田たちがお前を酔わそうとしていたが、お前、幾ら呑ませても顔色ひとつ変わらなかったな。
そして、俺につぎましょうか、と言いながら、酒をかけようとした――」
「いや、あの、かけようとしたんじゃなくて、結果的にかかりそうになっただけですよ」
と微妙に訂正してみたのだが、奏汰は、同じことだろ、という目で見ながら、
「西和田以上の刺客かと思ったぞ」
と言う。



