では、二人で白河さんに会うまで、ということになるだろうか。

 白河さんって、今、面会謝絶だって聞いたけど。

 じゃあ、面会謝絶が解けるまで?

 でも、回復されるか、もう本当に危なくなるかまで、ずっと面会謝絶なのではなかろうか、と不安に思ってると、奏汰は、

「出て行けとは異なことを。
 此処は俺の家だ」
と座り心地の良さそうな落ち着いた色柄の布張りの椅子にふんぞり返って言ってくる。

「おい、形だけの妻」
 なんだろう、その呼びかけ。

 今すぐ逃げちゃおうかなーと思う愛のなさだ、と思うつぐみに、奏汰は、
「出かけようか」
と言ってきた。

「あ、お出かけになるんですか?」
とほっとしながら言うと、

「莫迦。お前もだ」
と奏汰は言う。

 ……出かける?
 私と社長が?

 一瞬、意味がわからなかった。
 あまりにも想像つかないことだったからだ。