腕を組み、黙って自分を見ていた奏汰が、いきなり、
「なにか呑むか」
と言ってきた。

 た……確かに喉が渇いてきました。

 しゃべり過ぎです。

 というか、とりあえず、しゃべらせて、すっきりさせようとか思ってませんか? 奏汰さん、と思いながらも、つぐみは、

 此処で一杯呑むのもいいかも~、と実は思っていたのだが、奏汰は、

「珈琲を淹れてやろう」
と言い出した。

「珈琲ですか……」
とちょっと、しゅんとしてしまう。

 いや、珈琲も好きなんですけど。

 今は二人で仲直りもかねて、一杯呑みたかったかな~なんて、と思いながら、
「この時間から飲んだら眠れなくなりませんかね~」
とつぐみは呟く。