「昔、おばあちゃんちには、掘りごたつがあったんですよ」

 なんか話がよそに流れていってるぞ。

「中に携帯ゲーム機を落としては、みんなが焼いていました」

 それ、危険な代物だろ……。

 お前は、俺に、コタツは危険だと教えたいのか。

「つぐみ」
とそろそろかな、と思い、呼びかける。

「なにか呑むか」

 しばらくしゃべらせておいたので、喉が渇いた頃だろうと思い、そう言うと、つぐみは、えっ? と嬉しそうな顔をした。

 だが、すぐに、いやいや、ひっかかりませんよ~。

 このまま、酔わせて、うやむやにする気ですね~、という顔をする。

 心の中では笑いながら、
「珈琲を淹れてやろう」
と言うと、

 珈琲ですか……とあんな顔をしておきながら、実は呑みたかったのか、残念そうな顔をしていた。