どうしても駄目だったら、自分の部屋へ持っていくつもりだが。

 奏汰と二人でコタツに入って、編み物をしたり、お酒を呑んだり、本を読んだり、ほっこりしたかったのだ。

 しかし、奏汰の今の言い方に、つぐみは、ん? と思った。

「奏汰さん、もしや、おこたに入ったことがないのですか?」

「ない」
と奏汰は言い切る。

「実家にないし。
 友だちのうちでも、絶対に入らなかった」

 困った友達だな、それは……

 ひとりコタツの外でしゃべっていたのだろうか……。

 協調性がないぞ、と思う。

「コタツに絶対入るなというのは、父からの教えだ」
と言う奏汰に、

 お義父さま、過去、コタツにより、どんだけ堕落なすったのですか……、と思った。

「親父は、勉強しようと、コタツに入っては寝てしまい、第一志望に合格しなかったと聞いている」

 それ、コタツのせいじゃなくないですか……?

 会社を追われたのも、おそらく、コタツのせいではない。