「で、此処が神門(しんもん)。
精神を安定して、ストレスを緩和するそうです」
と言いながら、また前に回り、本を片手に耳をつかんでくる。
やめろーっ、とついに、つぐみの手を払った。
「安定しないだろっ、精神っ!」
思わず叫ぶと、つぐみは、なんで? という顔をしたあとで、安眠のための本を見下ろし、
「効きませんね、ツボ」
と呟いていた。
いや、お前が押すからだ……、と思っていると、
「そうだ。
お酒、呑みませんか?
呑みたくなるツマミを習ってきたんです。
海野(うんの)さんに」
とつぐみは言い出す。
「海野さん?
総務のお局様じゃないか。
どうやって習ってきたんだ?」
若い女子社員の顔を見たら、意味もなく怒鳴りつけると噂なのに、と思っていると、
「いや、社食で一緒になったら、料理についてのご講義が始まったので、これ幸いと訊いてきました」
と言う。
精神を安定して、ストレスを緩和するそうです」
と言いながら、また前に回り、本を片手に耳をつかんでくる。
やめろーっ、とついに、つぐみの手を払った。
「安定しないだろっ、精神っ!」
思わず叫ぶと、つぐみは、なんで? という顔をしたあとで、安眠のための本を見下ろし、
「効きませんね、ツボ」
と呟いていた。
いや、お前が押すからだ……、と思っていると、
「そうだ。
お酒、呑みませんか?
呑みたくなるツマミを習ってきたんです。
海野(うんの)さんに」
とつぐみは言い出す。
「海野さん?
総務のお局様じゃないか。
どうやって習ってきたんだ?」
若い女子社員の顔を見たら、意味もなく怒鳴りつけると噂なのに、と思っていると、
「いや、社食で一緒になったら、料理についてのご講義が始まったので、これ幸いと訊いてきました」
と言う。



