「はいはい、変わってね。次押してるからね」

チッ、邪魔が入った、と普段しない舌打ちをして、振り向くと居たのは、金澤 翼……先輩。


タメだと思った金澤は、実は先輩でこれ以上言えない。

「………大丈夫、大丈夫また回るからさ」


なんて言うけど、離したくない。


「晃……?離さないの?」



不安げにみやる。


順番が回らないことで、輪が乱れる。


これじゃ華恋を困らせる。

だから、俺は手を離した。