「翼くんッッーー 私ッッ私ッッ」


震える華恋ちゃんを抱き締める翼。


「大丈夫だ、ごめんな遅くなった」


ああそうだよ、いつもいいとこ取り。


俺が先に助けたのに、結局翼が横からかっさらう。



俺は拳を握る。 



「翼………俺はどうしても、お前を好きになれない。」



「何いってんだよ蓮見」



わかってる。


わざと、してるわけじゃないことぐらい。



だけど、やっぱり好きな子は奪われたくない。