再びため息が出そうになった時、カレーを食べていた男が立ち上がった。


「はい。お会計は500円です」


タエがすぐにレジへ向かい、男へ向けてそう言った。


男がレジで支払いをしている様子を、ぼんやりと見つめる。


「なんだ、また普通のレシートか」


男が残念そうに呟いた。


タエがクスクスと笑い「大橋さんは悩みがないからですよ」と答えた。