それから三日後。
「起立、礼」
「「さようなら~」」
「さよならっ!!」
あたしは教室を急いで出て、社会科準備室の前で久我くんを待つ。
片手にボイスレコーダー。
静かな場所。
これから久我くんとふたりきり。
シチュエーションは悪くないぞ!
「清家さん、お待たせ。
……って、入ってて良かったのに」
「ちょっとした気分転換で、ね」
社会科準備室は鍵が元からついてないから、勝手に入れる。
けど、久我くんをちょっとでも早く見たかったから……なんてね。
ふたりで準備室に入り、鞄から紙を出す。
例のセリフ集だ。
「久我くん、お願いします!」
「……はい」
久我くんにその紙を渡すと、久我くんは覚悟を決めた顔で頷いた。



