でも、その日の夜は困った。
「セリフ多すぎる~!!」
そう。
あまりにも、久我くんに録音させたいセリフが多すぎる。
欲を言えば、日常会話の全てを録音させてほしいぐらい。
さすがの久我くんも嫌がるだろう。
「甘いセリフ……は絶対言ってくれないはず」
"好きだ"とか絶対言ってくれない。
久我くんが今後学校に来てくれるか不安。
「やっぱり無難に目覚ましコールかな……」
※無難じゃないです。
でも、好きな漫画のセリフを読ませるっていうのもいいな……。
漫画しか入っていない棚から、特に好きな漫画を取り出して良さそうなセリフを探しながら、ページをパラパラとめくる。
『私の格好……変?』
『うん、似合ってるよ。めちゃくちゃ可愛い』
うん。こんな人見たことない。
あ、待って、高峯がいる!



