住宅地の道路で久我くんとふたりきり。


嬉しいけど、あたしの右半身への意識が凄まじい。



「あの、さっきのことなんだけど……」



あたしが久我くんに負けたら


今後一切関わらないって……



「それって本当?」



「……うん。俺、目立つの苦手だから」



「え、それと何か関係でもあるの?」



久我くんと関わることで目立つ……?


あたし何かしたっけなぁ……?



「もういいよ」


意味がさっぱり分からないあたしに諦めた久我くんはため息をついた。



「この人、変なところで無自覚……」


「え? 久我くん、何か言った?」


「ううん、何でもない。
とにかく目立つので、俺は一刻も早く清家さんと関係を……絶ちたいんだ!」



がーん!!


久我くんが勇気出して言ったってことはガチだ……!!



「そんな! じゃあ、あたしが勝ったらそれは無くなるよね?」


「そうだね」