「たくさんあるよ!
今年のサマーライブにも行きたいし、レオ君の課金もしたいな~!!」
「うん、よくわかった」
「あと!
久我くんの声を録音したい!!」
「……はい?」
久我くんが引きつった笑みを浮かべる。
「ふふーん♪」
あたしはそんなの知らずに鼻歌を歌う。
「ごめん。それは丁重に断りたい」
「じゃあ、どっちのほうが上か勝負しようよ!
あたしが勝ったら、久我くんの声を録音して、久我くんが勝ったら……どうする?」
「……今後一切関わらないこと」
久我くんは勇気を出したのか、ちょっと震えた声。
「え、それはやだ!!
あたしめちゃくちゃ頑張らないと!」
久我くんとの今後のためにも、あたし頑張らないとっ!
受験勉強以来の長時間勉強をやらなくては……!!
"北港台ー北港台ーお出口は左側です"
「じゃあね、久我くん。今日はありがとう」
あたしの最寄りについたので降りようとしたその時。



