なーんて久我くんにはあまり言いたくないから……でも嘘はつきたくない。
「まー諸事情がありまして……」
「清家さんは変態だね」
「なっ!」
見破られたっ……!
それは自分でも自覚済みだけど……。
好きな人に言われると心がグサッとくるというか……。
「それより」
「ん?」
「電車、何線?」
駅に着いて、改札通って、久我くんがあたしに尋ねる。
「あたしは2番線の……西道線ってやつ?」
「23分発のに乗ろう」
「え、あと2分だよ!?」
2番線ってここから結構遠いのに、間に合うか不安だな……。
「早く乗った方がいいから!」
早く乗る理由が気になるけど……。
「うん。わかった!」
今は前を走る久我くんに着いていこう。



