「まずは……大事な数学からかな。
俺も数学は苦手な方」


「あたしは数学きらーい」



「じゃあ、因数分解からか」



……久我くんあたしの扱い慣れ始めた。



「清家さん、具体的にどこ分からない?」


「えーっと、分からないところが分からない……です」


「こりゃ致命傷だ」



前の机を借りて隣り合わせた席。


久我くんのノートから見える字が本当に綺麗。

……あたしのより綺麗かも。



「じゃあ、始めからやろう」



そうして、久我先生の説明が始まった。



「えーっと、これはこうだから」


「そこ計算ミスしてる」


「あ! 8だ……」



試行錯誤を繰り返し、なんとか一問解き終わる。



「ん、やっと正解。良かったね」



これはもうご褒美だ……。


正解する度に聞けると思うと、断然やる気が出てくる。



あたし、もっと頑張ろう!!