体育祭も優勝で幕を閉じたが
あたしにはある困難が待ちかまえていた。
6月某日───
「彩葉ちゃん! ここはたすき掛け!!」
「うわーん!! 分かんないよ!」
そろそろ試験です。
「私も彩葉ちゃんがどうやったら理解してくれるか分からないよ!!」
なっちゃんが可愛いなんて言ってられない。
今日のなっちゃんは鬼すぎる。
「次こそは理解するから!!」
「それもう4回目!!!!」
あたしは勉強はとてつもなく苦手。
数学に関してぶっちゃけると下から10番以上だったら大喜び。
そして毎回補習っていうことはもう慣れてしまった。
「彩葉ちゃんがゲームするからだよ!」
「え、待って!
あたしからゲーム奪わないで!!」
でも、宿題は真面目にやるタイプ。
この要領の悪さだから、全然頭に入らないのだ。