イケボ男子に恋をしました。



家を出たら、食パンを咥えながら全力疾走をする。



「はぁ、はぁ……遅刻ー遅刻ー!」


なんで、(一昔前の)少女漫画らしい展開を迎えているんだあたし!


このまま、レオ君みたいなイケボの男性とこの角で曲がったらぶつかってお互い恋に落ちればいいのになあ。


そんな期待を込めて、あたしは先に見える角を曲がった。







「……」



しかし、曲がっても誰ともぶつからずに、期待した展開は全くなかった。



……何にも起きるわけないよね。



そんなの漫画の中だけだし。


走りながら、落胆するあたし。



あー、もう! 食パン邪魔!


走りにくい!!


デカいし口周り汚れるし!!