「ここって……」
「人気がないので、話すには絶好の場所です」
着いた場所は社会科準備室。
たしかに、ほこりまみれの地球儀。
平成9年の時の高校2年生の先輩方が制作した日本地図も貼られてあって、これも相当古い。
ここに行きたいと思う人は絶対いないと思う。
「あの、貴方に聞きたいことがたくさんあります」
「なんでしょう……?」
ドキドキしながら久我くんの言葉を待つ。
「まず、昨日の告白は本当でしょうか?
俺たち初対面でしたよね……?」
「初対面でしたけど、久我くんの声を聞いて好きになりました!」
「え、声……?」
久我くんはきょとんとする。
「久我くんの声って低いんだけど、優しさや爽やかさも感じるんです!
もう、ぶっちゃけあたしの理想が詰めまくっている声なんです!!!」
「それは、ありがとうございます……」



