もちろん本の中身も入って来なくて
早く清家さんに会いたいと思うのと同時に
今日俺は無事に生きられるだろうかということも考えてしまった。
と、そうしているうちに
「あれ? 久我くん早いね!」
清家さんがイヤホンを外して、俺の方にやってきた。
正直に言うと……めちゃくちゃ可愛い。
ただイヤホンで何聴いてたのかは聞きたくないのでそこはあえて黙っておこう。
「待たせてごめんね! では、早速行きましょう!」
「うん」
俺は勇気を出して彼女の小さな手を繋ぐ。
清家さんはびっくりした顔をしたが、俺の顔を見ると嬉しそうに頬を緩ませたのだった。
……俺だって、好きなんだ。
繋いでない方の手で俺の口元を覆い隠しながら、目的地まで歩いた。



