悩みを打ち明けると


「良いこと思いついた」


と頼もしい言葉を言ってきてくれたのだ。



「おお~! で? その良いこととは?」


「おう、あのな……」



安藤から聞いた作戦はこうだ。


いわゆるヤキモチやかせよう作戦なんだけど


あたしと安藤が名前で呼び合おうだって。


それで反応が良ければそれで終わりで無反応だったらもっと親密になる……という作戦。



「それは……いいかもしれないけど」



あまり久我くんを不安にさせたくないのだが……。



「名前ぐらいどうってことないだろ?」


「そっか! そうだよね!」


「じゃあ試しに名前呼んでみろよ」



「うん! ……………えと」



安藤に促され名前を呼ぼうとするが……



待って。


安藤の下の名前ってなんだ……?



安藤……えっと、えっと…


名簿で何度も見てきたから分かるはずだけど何故か思い出せない。


嘘でしょ、1年間一緒だったよね?



えっと……安藤の友達ってなんて呼んでたっけ?



……全員安藤呼びじゃんか。