それは……
「うふふ、久我くん好きだな~」
「うん、ありがと」
ああ、声がかっこいいことで……
じゃない!
久我くんが好きって最後に言ったのは、なんとバレンタインデー以来。
あたしが好きだ言っても"ありがとう"しか返ってこない。
久我くん、本当にあたしのことが好きなのか……?
と思わずにはいられないんですよ。
いや、久我くんが照れ屋さんなのは分かるけど。
せめてあと一回聞きたいな~と欲が深まってきているわけなのです。
「清家? どうしたんだ頭抱えて」
「安藤! 同じクラスだったの!?」
「え、今更? お前どんだけ久我のことしか頭にねーんだよ」
「だって好きなんだもん」
安藤とは気まずい時もあったけど今は良き理解者。
それと安藤にも好きな人が新たにできたみたいで……。
誰のことかは一向に教えてくれないけど、そうと知れば遠慮なく久我くんのことも話題にできた。
「あのね、実は……」



