「手作りなんだ?」
「うん……。あたしめっちゃ味見したから味は多分大丈夫だと思うけど……不味かったらごめんね?」
「ううん、不味くても全部食べるから」
「……っ」
嬉しい。ただただ嬉しい。
「あのさ……」
「うん」
久我くんの息の吸う音が鮮明に聞こえる。
本題に入るんだ……。
「俺は、ずっと目立つことが嫌いだった。
だから学年で騒がれてる清家さんと関わるのが最初嫌で仕方なかった」
……あたし、よくわかんないけど目立ってるのか。
これは自覚をせざるをえないようだ。
と他人のように思うあたし。
「だけど……いつしか清家さんと話さない日が寂しいって思うようになった。
それに気づいたのは最近なんだけど」
本当に……?
あたしも久我くんと会えない日は寂しいっていつも思った。
その分話せたときは格段に嬉しくて。



