レオ君……すっごく緊張するよ。


『頑張れよ!』


クリアファイルの中のレオ君の笑顔を見て、脳内にレオ君の声が流れた。


うん、どうなるか分からないけど頑張ろう!



───ガラっ



「清家さん」



ついに来た。



「早かったね」


「ううん、待たせてごめん」



ドキドキする……。



閑静な教室。


ふたりきりの教室。


久我くんしかいないこの空間で、この鼓動が大きく響く。



「あの!」



両手で抱えた久我くんへの"想い"



受け取ってください。



「ありがとう、めっちゃ嬉しい」


「ううん、美味しいかは分からないけど、良かったら食べて」



めちゃくちゃ味見したから、多分大丈夫だと思いたいけど……。