「す……」


キーンコーンカーンコーン



「「あ……」」



やばい昼休み終わって次体育じゃん!



「チャイム鳴っちゃったね……」


「……放課後、空いてる?」


「あ、うん。空いてるよ」


「じゃあ、教室で待ってて」



あたしは平然を装いながら頷いた。



「……ばか」



鼓動のざわめきは止まらない。


むしろひどくなっていく。



授業……集中できるわけないじゃん。



久我くんの、ばか……。



それから、あたしの考え通り集中できなくて


体育のバスケの試合でずっとぼーっとしてしまった。



「迷惑かけちゃったな……」



ようやく、午後の授業が終わって、教室で久我くんを待つ。



鞄から、レオ君のクリアファイルを取り出して眺める。