「だから……恭弥くんのために友達を辞めた方が……」
そう言いかけたその時。
「誰がそんなこと言ったっけ?」
「「え……?」」
あたしでも美琴の声でもない。
でもこの声を知ってる。
あたしが大好きで、勇気づけられて、辛くなって……
この声を聴いてたくさんの感情を抱くようになったんだから……あたしがわからないわけがない。
「久我くん……?」
「恭弥くん!?」
声の主……久我くんはあたしの前に立って、美琴と向き合う。
「小波さん。
俺、小波さんに好きになったのも告白したのも覚えないんだけど」
え……?
つまり、小波さんが嘘ついてたってこと……?
「恭弥くん? 何をとぼけてるの?
もう~忘れちゃったのなら……」
「俺が好きなのは小波さんじゃないから」
小波さんの苦しい言い訳に更に追い討ちをかける。
……あたしもこの言葉にはショックを受けたけど、それよりも小波さんのことを好きではないことに安心した。
「だから……そんな嘘で清家さんを泣かせるのやめてくれないかな?」
久我くんかっこよすぎるよ……。
何それ、ずるいよ。
どこまでもあたしを好きにさせるんだから。



