あ、急がないと……!
「じゃあ安藤またね!」
「頑張れよー!」
「ありがとう!」
走りながら返事して、急いで2組へ行く。
チョコ食べてくれるかな?
美味しいって思ってくれるかな?
どんな顔をして受け取ってくれるかな?
いろんなことを想像しながら2組にたどり着く。
だけど───
「はい、恭弥くん!」
語尾にハートマークがつきそうな甘ったるい声で久我くんにチョコを渡す小波さんがいた。
「……っ」
一歩遅かった───
「うん、ありがとう」
小波さんのチョコはラッピングからもう本命の匂いがプンプンで。
久我くんも満更じゃない顔をしちゃって……
もしかして小波さんのこと
好きになっちゃった……?
ううん。こんな可愛い人、好きにならないわけないよね。
すると、久我くんはふとこちらに顔を向けて……
「清家さん?」
教室のドアから覗くあたしと目が合ってしまった。



