今はレオ君もいるわけだし
別に恋はしなくてもいいかな、なんて考えながら列に並ぶと……
「あ、財布忘れた……」
そうだ、財布の中が昨日使い切ったからママに野口さん(1000円札)を入れてもらおうとして……机の上に置いたままだ。
なっちゃんはお弁当だからお財布はない。
誰か知ってる人いないかな?
と辺りを見回してみるが、誰もいなかった。他のクラスとか先輩だらけだ。
このままじゃ、ご飯抜きコースだよ……!
どうしよう……。
今日は諦めるしかないか……と、列から外れようとしたその時。
「__あの」
え……?
今のって……。
ばくばくと鳴り続ける心臓を気にしないようにして、声のした、後ろを振り返る。



