そうと決まれば、なっちゃんをあたしの家に呼んでお菓子づくりの練習をした。
バレンタインに作るのはチョコチップを入れたメジャーなスコーンにした。
だけど初めて作るのでレシピを凝視しながら、分量とかいつも以上に慎重に確認する。
しかし……
「……うわ、やっちまった」
「焦がしちゃったね」
あれだけ慎重にやったものの、焦がしてしまった。
レシピをもう一度見ると……
「どうしよう……時間間違えた」
なんで20分を30分にしたんだ……?
こんな失敗もあるの……?
「また作り直せばいいよ!」
「そうだよね!」
材料を無駄にしたショックはまだ癒えないが
料理をあまりしてこなかったあたしからすれば、それは当たり前のことで。
試食したら、食べれなくはないけどやはり少し苦い。
ということでもう一度作り直した。
そうして、しばらくして……
「……! 美味しい!」
「ほんとだ! 美味しい!」
程よい甘さにサクサクした食感。
なんとか美味しいスコーンを作ることができた。