「どうだった?」


教室に戻った途端、なっちゃんから期待の眼差しを向けられる。



「うん! 久我くんに色々聞けたよ!」


「良かったね!」



にこにこしてそう言えば、なっちゃんは自分のことのように喜んでくれた。



「あ、でも……」


「ん?」


「小波さん……だっけ。最近噂になってるよね。久我くんのことを狙ってるって」



あ、思いっきり忘れてた。


すごい睨まれたけど、あれはどうみたって敵対心だよね。



「小波さんに取られちゃうよ?
彩葉ちゃん、それでもいいの?」



それは嫌だけど……。


久我くんと友達を維持しなくちゃいけないのに、どうしればいいの?



とりあえずあたしは首を横に振った。



「清家さん」



すると、高峯が現れた。


なっちゃんは嬉しさで嬉々としているが、あたしは思わず顔をしかめる。



「ごめん。話聞いた」



どうせなっちゃんの話を聞いてたついでだろ。


全く悪びれる素振りないし。