「……でも、清家さんがくれるものなら何でも嬉しいな」



「え……?」



優しい久我くんに調子狂わされる。


胸をきゅっと掴んで、鼓動が高鳴るのを止められない。



……それってどういう意味?



久我くんのことだから特に深い意味はないと思う。


そうだよね?


とあたしの思っていることを同調してほしくて久我くんの顔を見てみると……



久我くんは顔を背けて、口元に手の甲を当てていた。


心なしか頬が赤い。



え、なんで……?



「……何か反応してよ」


「あ、ごめん! えっと、その……」



この後に続けることが思い浮かばない。


戸惑うあたしに久我くんは……



「じゃあ、バレンタイン楽しみにしてるから」


という言葉を残して、教室から出てしまった。



あれ、どこ行くんだろう……?


もしかしてお手洗いだったりして……と考えたあたしは用事も済ませたことだし自分の教室に戻った。