久我くんが先を歩いたので、あたしも慌てて後を追う。


と、久我くんが歩くペースを落として、あたしの横にいられるように、歩幅を合わせてくれた。


久我くんは前も優しかったけど


こんなにも幸せであたし大丈夫か?



久我くんは彼氏とかじゃないんだよ。



友達なんだよ。


そりゃあそうなる日を夢見てるけど。



横にいる久我くんを横目でチラッと見ると



「「……っ」」



ばちっと目が合って、ほぼ同時で逸らす。



え、目が合った……?



すると、久我くんはいきなり車道側で歩き出して、あたしを内側に歩かせる。



「……!?」



え、久我くんって友達だとこんなにも優しくなるの……?


あれ、今までなんでこんな感じにならなかったんだ……?



頭の中でクエスチョンマークが飛び交っている。


だけど考えればすぐに答えが見つかった。



……あ、そうか。


久我くんのことはもう好きじゃないって言ったからか。



本当はまだ久我くんのことが好きだけど



もう何とも思ってない


って言っちゃったから、久我くんはきっと安心して……。