イケボ男子に恋をしました。



いくら人のことを考えても、結局は自分が幸せになりたいし、自分を犠牲にする人生は嫌だ。


だったら、まずは自分を大事にすることから。


そこから他人も大事にすればいい。



校門に入ると同時にそうまとまったあたしはいつもよりも堂々と歩けた気がする。



昇降口に入り、自分の上履きを鞄から取り出して履く。


とふと横を見ると、



「「あ……」」



あの日以来の久我くんがあたしと同じような顔をして立っていた。


会えたらなって思ったけど、いきなりすぎるよ……!


なんて話したらいいんだろう……って頭の中でちょっとしたパニックに陥ってると



「おはよう。あけましておめでとう」



久我くんが少し口角を上げてそう言ったのだ。



「あ、あけましておめでとう!」



声がかっこいい……。


朝からありがとうございます。


いつ聞いても、久我くんの声はあたしの心を騒がせるし落ち着かせる。



胸の鼓動に集中する。



ああ……やっぱり好きだ。



この胸の高鳴りがそう教えてくれた。



「今年もよろしくね!」


あたしがそう言うと同じ言葉が返って来たので、今年も耳は幸せになれるな、と思った。



「久我くん」



久我くんがあたしの方に体を向ける。