「久我くんとはどうせ上手くいかないからって、安藤くんの方に行こうって……安藤くんはそれでもいいかもしれない。
彩葉ちゃんはそれで安藤くんを好きになれるかもしれない」
迷ってるっていうのはそういうことだ。
あたしは……安藤を好きになれたらなって考えてた。
なっちゃんの言うとおりだ。
「彩葉ちゃんが決めるなら、私は応援するよ。
でもさ」
「……」
「私はあの時の彩葉ちゃんの方が好きなの」
あの時のあたしって……?
「久我くんを好きだって……自分の好きなことを堂々として言える彩葉ちゃんが私の憧れだったの」
「なっちゃん……」
「ガチャガチャでレオ君が来なかった時も『また次だ!』って一直線にレオ君を好きな彩葉ちゃんが私は大好きなの」
だから、と言ってなっちゃんはあたしの瞳を真っ直ぐな目で見つめた。
「安藤くんには申し訳ないけど、
彩葉ちゃんに諦めてほしくない!
一直線に真っ直ぐに久我くんを想う彩葉ちゃんが私は大好きだから」
「なっちゃん……!
あたしもなっちゃんが大好きだよ!」
まだ色々迷うけど、なっちゃんがそばにいてくれるだけで心強いよ。
なっちゃん、本当にありがとう。
「うん!
彩葉ちゃんがどんな選択をしてもずっと味方だからね!」
どうなるか分からないけど
あたしはあたしらしく。
あたしのやりたいことを貫こう。
Act 9 オタクの新年が始まります
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