「やっぱり安藤くんは彩葉ちゃんのことが好きだったんだね」


「え、知ってたの？」



あたしは全然わからなかった……。


しかし、思い返すと中間テストの時の安藤の態度。


安藤がふてくされたりとか不思議に思ったけど、そういうことだったのだろうか。


本当に安藤にひどいことしたな……。



「彩葉ちゃんは何も悪くないよ。
まあ確かに安藤くんが可哀想だけど」


「ですよね……」



とっさの行動だった。


気づいたら遮って、あたしは何をしたかったのか今でもわからない。



「彩葉ちゃんは安藤くんとどうなりたい？
久我くんのことがまだ好きなら、安藤くんにはちゃんと伝えた方がいいよ」



どうなりたい……か。


あたしはまだ久我くんのことは振り切れてない。


でも、このままずるずる引きずるのも嫌だ。


久我くんがあたしに向くなんて、もう来ないんだから。



「安藤くんは良い人だと思うよ。
不器用だけど彩葉ちゃんをちゃんと大事にしてくれると思う」



あたしはただのゲーム仲間ぐらいにしか思っていなかった。


安藤が良い人なのはあたしも分かってる。



だからこそどうすればいいのか分からないんだ。