なんでこんなにモヤモヤするんだ。
なんで頭から離れないんだ……?
清家さんと安藤の笑いあってる姿を思い浮かべて、どこからか焦ってしまう。
焦り……?
『本当に恭弥はそれでいいのか?』
『ほら、お前の心に聞いてごらん』
「……っ!」
俺はたまらなくなって、走り出した。
ああ、やっぱり清家さんは嫌な人だ。
毎回俺をらしくない方へ走らされる。
俺ばっかり振り回されて、それでも彼女のことを考えて。
……オタクなんかに恋なんてしない
って心でずっと言い聞かせたのに。
もう決めつけられない。
自分の気持ちが一気に溢れ出て、決めつけられなくなった。
もう清家さんのことで頭が一杯だ。
きっと……いや、これは
恋───
以外ありえない。



