本の整理をしながらお目当てを探しても見つからなく、あと20分ぐらいでバイトが終わる時間まで迫った。
「……そんなもんか」
「あの、すみません。この本はありますか?」
すると若い女性の方が俺に尋ねてきた。
「あ、在庫確認しますね」
この本……清家さんが好きとか言ってたな。
ライトノベル、っていうジャンルだっけ。
キーボードを打って確認すると、在庫があって、本棚にもあるようだ。
「見つかったので、ご案内しますね」
そして案内し終えて、俺はバイトの終了時刻を迎えた。
更衣室へ入ろうとした時、光っているものが落ちていて、拾い上げるとそれはネックレスだった。
小さな白い星の形をした……そのまんまだ。
割と近くにあってよかった。
私服に着替え、店長を探しにまた店内に戻るとレジにいた。
「あ、店長……!」
「お、久我くんお疲れ様。
もう閉店だから、掃除しねーとな」
「あ、あの……これ」
店長にネックレスを渡すと、安心した顔をしてお礼を言った。



