「いえ、彼女は……」


「もしかして別れたのか!?
ごめんな、変なこと聞いちゃって……」


「いや、彼女じゃありませんから!!」


「……そうか。残念だな。
すごいいい子だと思ったんだけどな」



店長も清家さんのことを知ってるのか?


俺の考えてることが通じたのか、店長は「実はな」って教えてくれた。



どうやら、清家さんは店長の落とし物をわざわざ届けてきてくれたことがあったようだ。



「奥さんがくれたネックレスだからな。
すっげえ大切なものなんだよ。
人とぶつかって落としたみたいで、俺は気づかすに歩いてたら、あの子が拾ってくれたんだ」


「そうでしたか……」


「そうそう。……ってあれ?」


「どうしたんですか?」



店長は急に周りを見回してあたふたしている。



「またやっちまったな……」


「まさか……ネックレスですか?」



おそるおそる聞くと、店長は顔を青ざめながら頷く。


どうやら、ネックレスを落としたようだ。



「どんなのか教えてくれますか?
休憩終わったら本の整理するので、どこかに落ちてるかもしれないです」


「ああ、小さい白い星の形をしたやつなんだけど……久我くん本当にありがとうな」


「いえ、じゃあちょっと探してきます」