「もう無理なの……?
あたしを好きになる可能性はもう0パーセントなの?」



震えた手で俺の腕を触れて、涙をためた目で俺を見た。



「俺と似ている声ならいくらでもいるから……俺に固執しなくていいから」


「え……?」



その言葉は、0パーセントだよ、という意味合いを込めて言ったもの。



「あたし、久我くんが好きだよ?」



違う、清家さんは俺の"声"だろ……?


清家さんの好きはゲームの"レオ君"と同じなんだろ……?


それを恋と錯覚したんだろ……?



「うん、声がでしょ?」



「……っ、違う!!
確かにきっかけは久我くんの"声"だったけど……だったけど!」



俺はなんてことしたんだろう。



清家さんの瞳から涙が滴り落ちる姿を見てようやく気づいた、ようやく痛感した。



『まだ久我くんのことよくは分からないけど、まずは性格がカッコいい!

久我くんは優しいもん。まだ友達になって日が浅いけど、あたしわかるよ!』


体育祭のあの熱弁。



『 久我くんに初めての告白で振られてからもずっと好きなまんまだよ。

諦め悪いけど、久我くんが良いならこれからも好きって伝えさせてください』


まっすぐにぶつけた言葉。



『だから久我くん、あたしのこと……

ちょっとは意識してね』


俺がもっと清家さんと向き合おうと思ったきっかけ。