「頼むからあんまり心配させないで」
「あ、はい……」
これは高峯グッジョブだ……!!
こんな貴重な久我くんをありがとうございます!
「なら、良かった。じゃ行こう」
「う、うん!」
あたしの肩が軽くなったと思ったらもう久我くんは歩き始めていて。
あたしも慌てて久我くんを追いかける。
やった、今日は一緒に帰れる!
とウキウキしたのもあっという間。
「じゃあ、俺はバイトがあるからここで」
「わかった! また明日ね!」
バイトがあったのに、申し訳ないな……。
そして、久我くんと別れて電車に乗って、窓に映ったあたしを見てふと思い出す。
あれ、久我くんこれはもしや……
あたしのメイクしたことに気づいてない!?
うそだ……。
今日一緒に帰ったのに……。
あたしは泣く泣く家に向かってとぼとぼ歩いたのだった。



