「こんなところで何してたんだ?」
「え……? 久我くん!?」
久我くんが見えたから、さっきの人は気を遣って……。
やっぱり彼は優しかったんだね。
「久我くんこそどうしたの?
あたしはただ話してただけだよ。本当に優しかったんだ、名前聞けば良かった」
「ふーん……。
俺は清家さんが危ない目に遭ってるから、至急空き教室まできてほしいって高峯に言われて来たけど、清家さん全然危なくなかったし」
「なんか、ごめんなさい……」
高峯、久我くんに何してくれてるの……!
そんな嘘ついちゃ、久我くん怒っちゃうじゃん……。
すると、久我くんはあたしの方に近づいて、私の肩にそっと久我くんの頭がのっかかった。
え……。
久我くん……?
「でも、清家さんが無事で良かった」
「っ!?」
何これ……!
こんな久我くん見たことない。
こんな弱さを含んだ安心した声も聴くのも初めて。
あたしの心臓がキュンと打ち砕かれて、悶えてしまう。



