そしてしばらく。


「……よしっ! 出来たよ~!
ささ、鏡で確認してみて!」


目を閉じてたあたしは目を開いて、鏡の中の自分を見た。



「…………え」



これって、あたし?


確かに少しだけ面影がある気がする。


自分で言うのも何だけど……前より遥かに可愛いんじゃないか?



「彩葉ちゃん、すっごく可愛いよ!!
久我くんもメロメロだよ~♪」


「それはないと思うけど……そうだといいな。
久我くんにちょっとでも好きになってもらったらいいな!」


「その意気だよ!
そろそろ授業始まっちゃうから早く戻らないと!」


「……うん!」



なっちゃんに手を引かれ、一緒に教室に戻ったら、クラスの視線があたし達に注がれた。


やっぱり、いきなりメイクとかしてたら目立っちゃうよね。



「奈々、おはよう。って、隣にいるのは……清家さん? だいぶ変わったね」


「だよね~! あたしもびっくりしちゃった!」


一瞬、自分のことを誰?って思っちゃったからね。


「彩葉ちゃん可愛くなったでしょ?
久我くんのために今日はイメチェンの日なの、ね?」



なっちゃんに同意を求められ、あたしは今更ながら緊張して、頷く。