そうじゃなくて!
悩み事ふたつ目。
「久我くんがモテ始めた……!」
「あー、彩葉ちゃんのおかげで他の女子が久我くんの良さに気づいて人気になったんだよ」
「へぇー」
あたしはあからさまに不機嫌なため息をこぼす。
もし他の女子に告白されて、あたしじゃない人を好きになったら……
考えただけでも……って何も考えたくない!
「もしかして、彩葉ちゃんが悩んでるのはそれが理由なの?」
「それもあるけど……」
あたしは久我くんのことを好きになってから半年が過ぎ、
まだ12月にはなってないけど、クリスマスまで時間が迫っていた。
それまでに恋人とかじゃなくても、ふたりで出掛ける約束とかを出来るように進展させたい。
それに、久我くんが人気になったってことは
ライバルが増えたっていうことにもなる。
「……焦ってるのね、彩葉ちゃん」