「はぅっ!!」
久我くんイケボ過ぎます!
お、おやすみだなんて……!!
「はぁ、イケボ過ぎる!
もっと声聞かせて……!!」
「……嫌です」
「あ、ありがとうございます……!」
もう何聞いてもありがとうございますしか言えない……。
声が……尊い。
「あ、ちょっ!?
鼻血出さないでください!!」
ああ……今から天国行っても後悔しません。
「……インターホン押しますよ!」
インターホンを連打で押して、久我くんの慌てようの凄さがこっちまで伝わってくる。
「はーい……って彩葉!? どうしたの?」
「えっと、清家さんが鼻血出たみたいで……」
あたしの代わりに久我くんが返答した。
「あら、あなたあの時の……久我くんだったよね? 夜遅くにごめんね。彩葉がまた迷惑かけちゃったね……」
「いえ、大丈夫です!」
「彩葉のことは私がどうにかするから、もう帰りな。今日は遅いから親も心配してるでしょう?」
あたしの鼻血はまだ収まることはなく、ママが常備しているティッシュを使って、鼻血を必死に止める。



