夕暮れ時、なっちゃんと帰路で別れて、あたしは久我くんのバイト先へ訪れた。


……久我くんに今すぐにお礼を言いたくて。



「……清家さん?」


「お、お疲れ様!」



久我くんがいて良かった!


今日の久我くんの予定とか把握してなかったからいないかもと内心思ってたところだった。


久我くんは純文学コーナーの本の整理をしていた。



「そろそろ上がるからちょっと待ってて」



バイト上がりは19時のようで、そこまで後10分ほどだった。


あたしは久我くんに外で待ってると伝えて、本屋から一旦外に出た。



「あ、いた」


「久我くん、お疲れ様です!」


「うん。ありがとう」



久我くんは微笑んでくれて、あたしも久我くんに合わせて微笑んだ。



「……じゃあ、帰りながら話聞くよ」


「わ、わかった!」



久我くんとふたりで帰れる……!


ドキドキしながら久我くんの隣に並んだ。