イケボ男子に恋をしました。



「ところで久我くん」


俺は返事をする代わりに清家さんの方に目をやる。


「なんでここにいたの?」



え……?


待って、俺何か忘れてる気がし……



「……あ」



バイトあるの忘れてた……!!



「俺、バイト行かなきゃ!
ごめん、清家さん!」


「ウソ!? 久我くんごめんね!
あたしのことはいいから、早くバイトに行きな!!」



もうシフトの時間には間に合わない。


初めての遅刻だ。



「清家さん」


「ん、何?」


「俺は……清家さんの友達だから。
何かあったらいつでも言っていいからな」



もし清家さんがひとりになったとしても、


俺は、清家さんの傍にいるから。



だからこれは恋なわけがない。







Act 6 オタクはオタクらしく