やっぱり俺の声のこと。
正直清家さんに言われるまで意識してなかったことだから自分の声事情は全くと言っていいほどよく知らない。
清家さんは最初から俺の声に固執してるのは俺でも分かることで。
今思うと最初の清家さんの告白は俺の"声"に対してで、きっと"俺自身"のことを好きになっていないと思う。
なんだろう、もし
清家さんの理想の声が俺じゃなく、違う人だったら、
清家さんはその違う人を好きになってたに違いない。
……今そういうのを気にする場合じゃないだろ。
「けど、俺は……」
俺は清家さんと話さなくなれば、ずっと願っていた平穏無事な生活を送れたんだ。
だから、俺は清家さんと話したくないはずなんだ。
「あの、えっと……」
なのに。
「オタクの清家さんの方が
……良いと思う」
清家さんと関わりたくないなら突き放せばいいはずなのに。
それが、できない。
つまりは、俺が清家さんのことを友達だと思い始めたってことだ。



