「あ、木下さん……」
高峯が切ない声音で彼女の名前を口にする。
今の木下さんは俺が苦手なギャル系女子と一緒にいることが多くなった。
それが本来の木下さんなら、何も言うことはないけど。
木下さん、今とっても寂しそうな顔してるんだ。
高峯もそりゃあ心配するだろうよ。
「高峯、そろそろ時間。
次、移動教室じゃなかったっけ?」
「あ、そうだ!
ってか、なんで恭弥が知ってるの!」
「朝ずっと言ってたから」
「そうだった……」
次の授業まであと10分になるところで高峯に声をかけた。
高峯は急いで弁当を片付けて、教室に戻っていった。
その姿を見届けながら、廊下を見ていたら
ひとりでぽつぽつと歩く清家さんがいた。
ファイルがレオ君じゃなくて、シンプルな水色と白のドット柄だった。



