なぜこうなるのか考える程、頭が混乱していく。
「と、いうわけ答えが2なんだけど……」
懸命に説明してくれるなっちゃんに失礼なことは言えなくて。
なっちゃんに理解したという風を装って、声をあげようとしたその時。
「木下、もうちょい具体的に言った方がいいぞ? こいつ、こう見えて教科書の内容はなんとなくは覚えてる」
「安藤くん?」
安藤があたしの会話に入ってきて、あたしの前の席を勝手に座る。
「お前はなんで、これだけで答えが2になるか理解できないんだろ?」
「は、はい……」
なぜ分かるんだ、安藤よ。
「だろうな。これはまず、分かりやすくするために右に移項して───」
安藤は教科書の説明で省かれている部分をノートに簡単に付け足す。
そうしてできあがったのは、教科書の説明よりはるかに具体的かつ膨大な文字たち。
「なるほど!」
疑問がすっかり氷解された。
前のテストでも思ったけど、やっぱり安藤の説明はうますぎる。
先生も安藤と同じような説明すればいいのに……なんて思ってしまう。